余白と情報

店の壁には2枚の絵画を飾ってあります。


モネの「かささぎ」と「印象 日の出」。

そこ以外はすべて元のままの白壁のままで、味も素っ気けもありません。

時々、じっと絵を見るのですが、遠くに引いたときにこの余白があることで、何かしらの安心感があるような気がします。


「余白」・・・よはく・・・余る白

よはくという語感も、余るという響きも脇役のような感じですが、なんとなく好きです。


今、手元にスマホがあるのですが、これを見ると様々な色形のアイコンがひしめきあって、

例えばヤフーを開けると、これでもかというぐらいに写真と文字が目に迫ってきます。

まさに、情報の洪水です。

情報がたくさんあると、次はなにか?これはなにか?という「期待」で情報を追うことに時間を忘れ、自分は何をしたいのか?という感覚が麻痺してしまうような気がします。


一方、余白の中にひとつの情報があるとそれに集中しつつも自分の感覚、懐かしいとか、ほっとするとかそういうものが浮き上がってきます。


余白と情報、どちらも大切なものですが、時と場合によってこのバランスを、美しいバランスを考えていくことを忘れないでいたいと思うようになりました。


フィンランドでは、溶けかけの雪のことを「ロスカ(LOSKA)」と言うそうです。

余白と情報の割合もいつも一定ではなく、余白という雪が溶けていくように、そしてまた新たな雪が積もっていくように、変わっていくものかもしてません。









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