個人と組織
60歳で定年退職してこのお店を始めたのですが、一つの会社に40年近く勤めていました。
改めて、組織で働くということと個人でやっていくということを考えてみました。
当たり前ですが、会社では総務や財務や営業や企画など分業で仕事をすることになります。
それに対して、個人事業主はなんでもひとりでやらなければなりません。
長所も短所もそれぞれありますが、実際にやってみて思うことは、「実感(リアルな手応え)」ということです。
ひとりでやるということは、うまくいくこともあるし、うまくいかないこともあり、そしてお金が出ていくところも入ってくるところも間近で見ることになります。なによりも今まで出会うことのなかった人たちと実際に会って話をしてということがあります。開業に当たっては、消防署、保健所、警察署、不動産屋さん、内装業者さん、珈琲屋さん、電気屋さん、家具屋さんなどいろいろな方との偶然の出会いがありました。開業してからは、ご近所さん、学生さん、お勤めされている方、主婦の方などがお客様として、時間を割いてご来店いただき声をかけてくれました。
会社勤めでは、このように様々な方との出会いはあまりなく、しかもメールや電話などで終わってしまう、更には近年のコロナ禍でのリモートで、五感で味わうリアルな実感を持つことはあまりありませんでした。
この「実感」というのは、何物にも代えがたい小さなしあわせではないかなとつくづく思います。
「この先どうなるんだろう?」と不安になるときもありますが、店のドアがギィと鳴ってお客様が入ってこられる瞬間が、今の私にとって最大の喜びです。そして、帰り際に「ゆっくりできました」「また来ます」などと声をかけていただけると、本当に涙が出るくらい嬉しいです。
これからもいろいろあると思いますが、なんとかやっていこうと思います。
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